Story #3: “Birdie” by Mike Salisbury “バーディー”の誕生秘話を探ってみよう。

by Rin Tanaka

 

 創業1961年の小さなサーフトランクス会社<バードウェル>はなぜ50年以上も生き残り続けることができたのでしょうか? 理由は色々とあるのでしょうが、同社のマスコットキャラクターである“バーディー”の登場・存在はやはり大きかったようです。

 バーディーをデザインしたのはマイク・サリスベリーさん、カリフォルニア・ベニス在住。恐らくほとんどの人が彼の名前を知らないでしょうが、経歴を調べるとこれが凄いんですよ。(http://www.mikesalisbury.net参照)あのマイケル・ジャクソンの『Off the Wall(1977)を筆頭に、リーバイス、ヴォルクス・ワーゲン、ホンダ、ほか大企業のアートディレクションを数多く手がけています。それらの作品を見れば、「これは知っている」というものばかりです。

 バーディーはそんな巨匠アートディレクターがまだ修行中の20代に書き上げた、初期の作品でした。

 <バードウェル>の英語ブログを担当するジェイミーさんが、ちょっと前にマイクさんにインタビューしています。コメントを抜粋してみましょう。

http://birdwell.com/blogs/birdwell-blog?page=3を参照

「あれは1964年のことだね。当時、雑誌『Surfer』で働いていて、自分の担当は広告原稿を仕上げることだったんだ。<バードウェル>はクライアントのひとつで、ある日『うちのロゴを作って欲しい』という依頼があってサンタアナの工場にミーティングへ行ったんだ。そこで思いついたのが“鳥とサーファー”を組み合わせ、黒と赤の2色で描いたバーディーだったというわけさ。加えて、<Birdwell Beach Britches>というロゴも考えた。フォントは『Surfer』の編集長のジョン・シーバーソン、そして同誌の人気漫画アーティスト、リックグリフィン、さらに個人的にベン・シャーンというアーティストに影響を受けていて、それらをミックスさせたものだね」 

 マイク・サリスベリーさんが思いついたマスコットキャラクターは、頭にサーフドボードのフィンの形をしたモヒカン(?!)が付いており、瞬く間にサーファーの間で知れ渡るようになりました。みんな“バーディー”を一目で大好きになったのです。ここから<バードウェル>の躍進が始まります。

 その後、今日までバーディーのロゴはトランクスに使われていますが、ここからはかなりマニアックな話。

 実はレーベルにプリントされたバーディーは年を重ねる頃に、少しだけ顔の表情が変化しています。注目は“目”。よ~くみると、時代ごとに目の形が少しだけ変わっています。プラス、少し太ったり、再び痩せたり。もし古い<バードウェル>のトランクスに出会ったら、ぜひチェックしていただきたい。ますます<バードウェル>が好きになってしまうはずです。

 

 
若い頃のマイク・サリスベリーさん(左)と当時描いたイラスト(右)。

  
このナイロン製トランクスは1960年代後半頃のものですしょう。初期のバーディーは目にクマが入ったかのような太い三角。加えて、当時はサイズ表示のみがついていました。

 
バーディーの表情が変わったのは1980年代に入ってからでしょうか。目が痩せて細くなり、口元がスマイリーになります。こちらのトランクスはキャンバス製で、「Made in U.S.A.」のラベルも付いています。

  
こちらも1980年製のナイロン製トランクスですが、少し太り、目が細くなります。

1989年の『バードウェル・カタログ』より。同社が雑誌『Surfer』に初めて広告を打った196212月の頃は、まだロゴが登場していなかったようです。

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