Story #0: Surf’s Up! (今年も夏がやってきた!)

Birdwell

ビーチトランクスの話

by Rin Tanaka

 夏が近づくと、なぜかソワソワしてしまうのは僕だけだろうか。もう40代も半ばに入ったのに、夏の到来が未だに待ちきれない。子供の頃に川や山で遊んだ記憶が蘇り、さらに大人になってサーフィンを始めると友達と一緒にサーフトリップへ繰り出したことを思い返す……。不思議と、似たような高揚感は他の季節にはない。いくら歳を重ねても、「夏は特別!」なままだ。

 夏が他の季節に比べて短いことは、人々をソワソワ、ワクワクさせてしまう大きな原因だろう。特に日本の夏は短く、海開きが7月に始まり、しかし8月中旬のお盆が過ぎると海水浴場から急に人が減り始める。つまり日本の夏はわずか1ヶ月強しかないので、急いで楽しまないとあっという間に秋になってしまうのだ。しかも夏は年に1度しかないため、仮に長生きしても……人生で80回くらいしか夏を楽しむことができない計算になる。それは夏好きにとって決して充分な数ではなく、考えれば考えるほど虚しくなってしまう。だからこそ、今年の夏も思いっきり満喫しないともったいない。

 夏の楽しみ方は色々あるが、やっぱり最高なのは海へ出かけることだろう。向かう途中から既に興奮しっぱなしで、潮の香りが漂いだすとついに脳みそからアドレナリンが吹き出す。 ヤッホー! ビキニ姿の女性も沢山いるぞ!

 興奮のあまり、絶対に忘れてはいけないのが海水パンツだ。お店に行くと色々なビーチトランクスが販売されているが、興味深いことは1960年代からサーフトランスなるものが南カリフォルニアから登場し、今ではそれが世界中で「標準デザイン」になっていることだろう。なぜ、カリフォルニア発のトランクスが世界標準になったのか? 田中凛太郎が2015年夏限定でお届けするこのブログでは、1961年に創業した老舗ブランド<Birdwell>の歴史を辿りながら、カリフォルニア産ビーチトランクスの魅力を探っていこう。

 

19699月、南カリフォルニア・ニューポートビーチにて。真ん中にお父さんぽい人がいるので、家族の集合写真かもしれない。(だとしたら、凄い大家族だ!)全員が<バードウェル>のサーフトランクスを着用し、カメラにお尻を向けている。注目すべきはそれぞれが色違いのトランクスを履いていることで、ヒッピーブームがピークに達した1969年頃にはパステルカラーを含めた様々なカラーチョイスが既に用意されていた。

 

ここに紹介するチェッカーフラッグ模様のトランクスは、1970年代のヴィンテージ品。<バードウェル>製トランクスの基本モデルとなる「301」という品番で、これぞカリフォルニア産サーフトランクスの代名詞的なモデルだ。現在はこのモデルに改良を加えた「310」がニュースタンダードになっている。


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